オペアンプ

はじめに

c12880ma分光器をRaspberry Pi Picoで使えるようにするため、周辺回路で使っているオペアンプ(NJM77701F)とデジタルポテンショメータ(MAX5477)についての使い方とメモ。


c12880maのクロックなどは最小3.0Vでも動作するようであるが、5.0Vが推奨されている。Video信号のインピーダンスは150Ωが推奨されており、次のようなコメントが記載されている。


”ビデオ端子の消費電流の増大により、チップ温度は上昇し暗電流が増加します。そのため、ビデオ出力端子にはバッファアンプを接続して、できるだけ電流を流さないようにしてください。”


そこで、NJM77701Fを2個使い、1つをバッファアンプ(ボルテージフォロア)に、もう一つを反転増幅回路とし、5V→3.3Vに変換している。

デジタルポテンショメータMAX5477は反転増幅回路の増幅率とオフセット値を設定する目的で用いている。

なお、c12880maのVideo信号のレートはクロック周波数が設定されているが、露光時のクロックである必要はなさそうなので、Raspberry Pi PicoのADCでも動作させることができる。MicroPythonで300ksps(45ksps程度)でていたと思う。

MAX5477のコード

MAX5477のMicroPythonのコードは以下の通り、データシートをよく読まずに不揮発性メモリへの書き込みがうまく出来ずに悩んだが、メモリの書き込み動作が遅いので、矢継ぎ早にデータを送りつけても動作してくれない、20ミリ秒の間を開けて解決した。あとからよく読むとデータシートに13ミリ秒あけろと書いてあった。

ほとんどコメントだな…

回路及び実装

回路図は以前にも示したが、次のとおり、MAX5477回りを新たに示す。
設計ミスを修正した新しい基板を発注するための準備をしているのだが、新しい基板ではMAX5477のI²Cアドレスを固定にした。パッドの場所が確保できなかった。

実際のテストの様子。

ホコリだらけだ、MAX5477は5Vで動かすので、3.3VのRaspberry Pi PicoからI²C接続するにはレベル変換が必要。実際には8chのFXMA108を用いているのであるが、実験では2chのFXMA2102を使った秋月電子のI²Cバス用双方向電圧レベル変換モジュールを使っている。

測定結果

振幅が±2.5Vの正弦波にオフセット2.5Vで、0V〜5Vの正弦波を生成して入力に入れた(黄色)。水色のラインが出力信号で、反転増幅回路なので反転している。増幅率を0.6に設定したので、5Vの振幅が3Vになっている。

まとめ

ほぼ、目的通りの挙動を示していると思う。ただし、数百キロヘルツ程度の信号であれば特に問題なさそうであるが、メガヘルツになるとちょっと波形が乱れてくるようだ。PicoのMicroPythonの場合、300ksps(45ksps程度)でしかVideo信号は取り込めないので、特に問題になることはなさそうである。

電子工作を初めてから、オペアンプを本格的に初めて使った。色々勉強になった。

参考文献

  1. 定本 OPアンプ回路の設計―再現性を重視した設計の基礎から応用まで (定本シリーズ)
  2. 浜松ホトニクス ミニ分光器 マイクロシリーズ C12880MA データシート
  3. 日清紡マイクロデバイス NJM77701F 1回路入り34MHz、35V/us、低ノイズ入出力フルスイング高速CMOSオペアンプ

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